Future Research Question 4「メンタルヘルス領域におけるDHT技術分類・技術動向ならびにメンタルヘルス介入技法の定期的な調査」
本プロジェクトにおけるトレンドリサーチ(TR)では、既報のシステマティックレビューのレビュー(アンブレラレビュー)を実施し、メンタルヘルス領域で活用されるであろう11技術分類を暫定的に整備しました※1。また、この技術分類をベースにしてIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)データベースを用いたデジタルヘルステクノロジー(DHT)の技術動向調査も行いました※2(TR記事参照)。
一方で、デジタルメンタルヘルス領域における技術革新のスピードは非常に速く、本プロジェクトTRのヒアリング調査でも、我々が作成した技術分類に属さない新技術を応用したストレス判定技術の話題提供がありました。本プロジェクトの推奨では、PubMedやIEEEなど学術データベースを使用して技術分類および技術動向を調査しているため、学術成果として論文公表されていない萌芽的な技術に関してはピックアップできていないという限界があります。
さらに、HQ4a~cのシステマティックレビュー(SR)ではメンタルヘルス介入技法が細分化され、ポジティブ心理学、心理教育、コンパッション、レジリエンス、複数の心理技法を用いた複合介入などの介入技法は質的・量的統合ができなかったことから、推奨を出すに至りませんでした。
今後、継続的にDHT技術領域・動向・メンタルヘルス介入技法を調査して、定期的に内容をブラッシュアップしていくこと必要です。
■引用文献
- Tani N, Fujihara H, Ishii K, et al. What digital health technology types are used in mental health prevention and intervention? Review of systematic reviews for systematization of technologies. J Occup Health. 2024;66(1):uiad003. doi:10.1093/joccuh/uiad003
- Tani N, Yamaguchi C, Tsunemi M, et al. Ergonomic strategies for Digital Occupational Health: Preparing for the oncoming wave of technological innovation. Environ Occup Health Practice. 2024; 6: eohp.2023-0028-CT.