「フォレストプロットのみかた」
SR-Articleの記事では、ヘルスケアクエスチョン(HQ)の量的な統合結果、即ちメタアナリシス(Meta-analysis: MA)の結果を図示しています。MAとは、同じようなデザインで実施された複数の研究で得られたそれぞれの効果を統合して、特定の要因とアウトカムの関連を解析する手法のことです。このMAを図示する際に、以下のようなフォレストプロットと呼ばれるグラフが用いられます。
①アウトカム情報:各アウトカムの情報として、Depression(うつ症状)、Anxiety(不安)、Psychological stress(心理的ストレス)などが並んでいます。①はDepression(うつ症状)を示しています。
②横棒の意味:各アウトカム情報の右側に示された横棒は95%信頼区間の下限値(Lower)と上限値(Upper)を結んだ線を示しています。95%信頼区間とは同じような研究を100回行った場合に、95回の研究で、その平均値がその区間に含まれることを意味します(真の平均値が95%の確率でその区間に含まれていることを示します)。一般的に横棒が長いと研究対象者が少なく、横棒が短いと研究対象者が多いとされています。この横棒が0を跨いでいる場合は、統計学的に明らかに低下した(または増加した)とはいえない状態を示しており、0を跨ぐことなく示されている場合は統計的に有意(意味がある)ことを示し青か水色で示されています。なお、色がグレーになっている横棒は0を跨いでいることから、統計的に有意ではない(意味はない)ということを示しています。
③◆はアウトカムの解析における評価指標の変化量の平均値(Cohen's d)を示しています。つまり、◆が0より小さい場合(マイナス)は効果指標が減少したことを指し青色で示されており、0より大きい場合は、効果指標が増加したことを指し水色で示されています。最上段の①では、横棒が0を跨いでおらず、◆が0より小さいため、うつ症状の値が-0.3減少した(改善した)ことを示しています。