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HQ_1 DHTにはどのような種類があるの?(DHTの定義含む)

本記事の対象者
(●)サービス利用者向け(個人ユーザ・産業保健スタッフなど)
(●)サービス事業者向け(開発企業・サービス提供関係者)
( )学術関係者・行政担当者向け

 

要約

この記事は、デジタルヘルステクノロジ(DHT) の種類に関する内容です。種類については、本研究班内で作成したメンタルヘルスに関するデジタルヘルステクノロジの定義でできるだけ網羅するようにしました。そのため、この記事では、その定義の作成過程、その意図について説明をしています。

1.何を調べたの?

デジタルヘルステクノロジの種類を確認するために、ドイツのThe Act to Improve Healthcare Provision through Digitalisation and Innovation (Digital Healthcare Act, or DVG) 、米国のFDAが作成しているデジタルヘルスに関するガイドライン、英国National Institute for Health and Care Excellence (NICE)のデジタルヘルステクノロジのエビデンスに関する基準、世界経済フォーラムから出されているデジタルメンタルヘルスに関するガイドライン、オーストラリアのNational Safety and Quality Digital Mental Health Standardsといった世界のデジタルヘルステクノロジに関するガイドラインや法令を確認しました。また、デジタルメンタルヘルスサービスの分類として、国内メンタルヘルステックカオスマップ2023を参考にしました。これらのガイドラインや分類方法から、デジタルメンタルヘルステクノロジの定義案を作成し、研究班で構築した研究者、事業者、産業保健職からなるステークホルダー会議のメンバーからのコメントを踏まえて研究班内での定義を提案しました。

2.どんなことが分かったの?

研究班から提案した研究班内で活用する定義は以下のようになりました。
本研究では、デジタルヘルステクノロジサービスを「情報通信技術やデジタル技術を用いて一般労働者に提供される一次予防を目的としたヘルスケアサービス」と定義し、メンタルヘルス不調の予防、生活の質(QOL)および機能(生産性やアブセンティーズム等)の改善、ポジティブメンタルヘルス(ワーク・エンゲイジメント、ウェルビーイング等)の向上、自殺予防、アルコール・薬物等の乱用予防を目的としたデジタルヘルステクノロジサービスを対象とします。デジタルヘルステクノロジには、技術的なアルゴリズムを用いたサービス(例:アプリケーションソフトウェア(アプリ)、コミュニケーションロボット、ウエアラブルデバイス、非接触型センシングデバイスを介して提供される情報提供、セルフモニタリング、リアルタイムフィードバック等)や、技術的なアルゴリズムを用いないサービス(例:手段だけがインターネットを経由しているオンラインカウンセリング等)が含まれます。本指針におけるデジタルヘルステクノロジサービスには医療用は含みません。
この定義の中に、メンタルヘルスに関するDHTの種類が網羅されています。

3.この記事はどんな役に立つの?

デジタルメンタルヘルスに関する定義は、今後、新しいテクノロジの出現により、修正、変更していくことが想定をされます。テクノロジの進化により定義を修正、変更するにしても、そのたたき台が必要です。わが国の現状を踏まえて、現時点での定義を作成することは、デジタルメンタルヘルスに関する様々な調査をする上での基準となり、修正や変更をする際のたたき台となりえます。

更に詳細に知りたい方は

   

 

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