解説コラム

「PRISMAフローチャートって何?」

DeLiGHTプロジェクトで行ったシステマティックレビュー(SR)は、Preferred reporting items for systematic reviews and meta-analysis(PRISMA)声明2020に沿って実施されました。PRISMA声明2020とは、SRやメタアナリシス(MA)の質の向上のために発表された国際指針のことで、2020年に内容が改訂されました。

世界中の研究者がSRやMAを行う際には、このPRISMA声明2020のプロセスに沿って行い、実施したSRはどのような手続きで文献を抽出しているのか、フローチャートにまとめて明示することが求められています。本プロジェクトで推奨に至った3HQに関するPRISMAフローチャートは以下の通りです(図1)。

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 図1. 本プロジェクトSRにおけるPRISMAフローチャート

 本プロジェクトにおける論文選択基準

■PICO
P: 労働者
I: DHTを⽤いた⾮薬物介⼊(運動・栄養・⽣活習慣指導、認知⾏動的介⼊、等を含む)
C:いずれかの対照群(コンディションは問わない)
O: 精神症状、ポジティブメンタルヘルス、精神健康関連QoLおよび機能、仕事関連アウトカム、自殺、物質使用、有害事象

■適格基準
組⼊基準:①労働者を対象としている、②デジタルヘルス介⼊を⽤いている、③精神健康アウトカム等を評価している、④無作為化⽐較試験デザインを⽤いている、⑤2010年以降に出版された論文である
除外基準:①特定の疾患を持つ労働者を対象としている、②労働者ではない者を対象に含んでいる、③二次予防または三次予防を目的とした介入を用いている、④特定の疾患または症状への治療効果を評価している