「デジタルヘルス関連の用語一覧」
デジタルヘルステクノロジー関連で用いられる専門用語や、システマティックレビューおよびMinds参照型の指針において用いられる用語について解説します。
用語一覧
用語 | 解説 |
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AGREE Ⅱ | The Appraisal of Guidelines for Research & Evaluation Ⅱの略。診療ガイドラインの作成方法および作成過程に焦点を当てて, 診療ガイドラインの質を評価するためのツール。AGREE の改訂版で,2009 年に開発された。 |
COI | Conflict of interestの略。教育・研究に携わる専門家としての社会的責任と産学連携の活動に伴い生じる利益などが衝突・相反する状態のこと。 |
GRADE | The Grading of Recommendations Assessment, Development and Evaluationの略。システマティックレビューや診療ガイドライン作成の際に, エビデンスの質評価や推奨度を明確なプロセスで決定するためのシステムとして国際的な任意団体が発表した方法。現在,WHO や英国NICE などにおける診療ガイドライン開発で採用されているアプローチ。 |
HQ | Healthcare Questionの略。予防・ヘルスケアに関して知りたい疑問のこと。 |
Minds | Medical Information Network Distribution Serviceの略。日本の診療ガイドラインセンター。日本国内で発行された診療ガイドラインを評価選定し, その書誌情報および診療ガイドライン本文をウェブサイト(Minds ガイドラインライブラリ) にて公開している。また,診療ガイドラインの作成支援,普及啓発,市民・患者参画を推進している。 |
NICE | National Institute for Health and Care Excellenceの略。英国のイングランドとウェールズにおける診療ガイドラインセンター。 |
Non-SaMD (Non-software as a Medical Device) | 健康増進などを目的に利用される,ヘルスケアを対象としたデジタルヘルス技術の総称 |
PICO/PECO | ヘルスケアクエスチョンを整理する枠組み。P はParticipants(参加者)/Patients(患者)/Population(対象者)のことであり,介入を受ける対象を示す。I はInterventions(介入),すなわち介入の選択肢のことである。C はComparisons(比較対照),Controls(対照)のことであり,Iと比較したい介入を示す。O はOutcomes(アウトカム),すなわち介入を行った結果として起こり得るアウトカム事象(転帰事象) のこと。 |
PPI | patient and public involvementの略。患者・市民参画ともよぶ。指針作成において, 患者・市民の考えを十分に理解して, 取り入れること。診療ガイドライン作成における患者・市民参画は,国際的に広く推進されており,必須のものとなりつつある。 |
PROSPERO | International Prospective Register of Systematic Reviewsの略。システマティックレビューを実施する際の事前登録システム。これにより重複を回避し,計画されたものと完遂されたものを比較することにより出版(報告)バイアスを減らすことが期待されている。英国NIHR(National Institute for Health Research)の資金により,ヨーク大学Centre for Reviews and Dissemination(CRD)が運営している。 |
SaMD (Software as a Medical Device) | PMDAによる薬事承認を受け,主にデジタル治療・デジタル創薬に用いられるプログラム医療機器。 疾患の診断・治療を主目的としたソフトウェアのこと。 プログラム等の最先端医療機器の審査抜本改革(DASH for SaMD)(厚生労働省,2020): プログラム医療機器実用化促進パッケージ戦略を策定 |